エルネスト・ルナンとは?経歴や書籍も簡単に紹介

イエスの生涯

ジョゼフ・エルネスト・ルナン
フランスの宗教史家、思想家です。

 

1823年2月28日に生まれ
1892年10月12日に69歳で亡くなりました。

 

目次

エルネスト・ルナンの経歴

パウロ―伝道のオディッセー

生い立ち

エルネスト・ルナンは
ブルターニュの漁師の家庭に生まれます。

5歳のときに父親が亡くなったため、
12歳年上の姉アンリエットさんが
家系を助けるためにパリで教師をします。

信心深い人格者だった姉は、
エルネスト・ルナンに大きな影響を与えました。

 

学究の道へ

エルネスト・ルナンは
ブルターニュの神学校に通い、
特に数学とラテン語を勉強したそうです。

15歳のときに、
神学校のすべての賞を獲得し、
聖職者を志してパリに出ます。

しかし、
サン=シュペルス神学校在学中に
ヘーゲル、ヘルダーを読み、
カトリックの信仰に疑念を感じて
聖書原点の研究に向かいます。

 

17歳になり、
哲学を学ぶために別の学校に移ります。

 

そして
聖職と知的誠実さとの間の葛藤の末に、
教会の超自然的で伝統的な信仰を捨て、
聖職の道を断念しました。

 

「イエス伝」を刊行

1860年、ルナンは政府からの命により、
パレスチナの学術調査の指揮を執ります。

翌年から
コレージュ・ド・フランスで講義を行います。

その講義において、
イエス・キリストを「比類なき人間」と
呼んだため、停職処分を受けます。

それでも1863年
イエス伝」を刊行し、
すぐさま各言語で翻訳され、
ヨーロッパで広く議論の的となりました。

 

 講演、執筆活動

言語論、地域論、国家論などの
学術的業績のほか、文学的価値の高い
回想記「思い出」など、その著作は多岐にわたります。

1878年にアカデミー・フランセーズ会員
1884年にはコレージュ・デ・フランスの長となりました。

 

エルネスト・ルナンの著書

エルネスト・ルナンは
いくつもの著書を出しています。

ここでは2つ紹介します。

  • イエス伝
  • 国民とは何か

これらの著書について
以下で解説します。

 

イエス伝

イエス伝 (岩波文庫 青 810-1)

イエス伝」は
エルネスト・ルナンの歴史書です。

神学的、哲学的ではなく、
ギリシャ的でもヘブライ的でもない
イエス・キリストを歴史家の観点から
その人物像を描いています。

伝説と信仰的暗幕を取り払った
「比類なき人間」としてイエスを再現しています。

 

国民とは何か

国民とは何か

国民とは何か」は
ルナンの講演集です。

国民、民族、国家という
終わりなき課題に応えて、
異質なものとの間に頻発する
あらゆる「境界の経験」に再考を切迫します。

 

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