トーマス・カーライルはイギリス(大英帝国)の歴史家・評論家です。
1795年12月4日に生まれ
1881年2月5日に85歳で亡くなりました。
トーマス・カーライルの経歴
生い立ち
トーマス・カーライルは
スコットランドのダンフリーズ・
アンド・ガロウェイに生まれます。
エディンバラ大学を卒業し、
ドイツ文学を研究します。
また、ゲーテの弟子で、彼との往復書簡があることも有名です。
思想
トーマス・カーライルは
物理主義と功利主義に反対し、
道徳を語りました。
彼の有名な代表作は
次のものが挙げられます。
- 「英雄崇拝論」
- 「フランス革命史」
- 「衣服哲学」
- 「過去と現在」
- 「オリバー・クロムウェル」
ここでは、簡単に
2つの思想・著書について解説します。
英雄崇拝論
「英雄崇拝論」は、彼の出世作
かつ代表作ともいえるものです。
これは、
「世界の歴史は英雄の歴史である」
という立場から、預言者、詩人、高僧、
文士、王者としての英雄についてを論じています。
衣服哲学
「衣服哲学」は
カーライルの半自伝的な散文です。
架空のドイツ人大学教師
トイフェルスドレックの著作の
一部を翻訳したような形をとり、
宇宙の永遠の精神がまとう一つの
衣装とみなして、その比喩で
地球上のすべてを説明しようとしています。
著者の批判的・風刺的な社会観、
歴史観を展開しています。
トーマス・カーライルの著書
トーマス・カーライルは
いくつもの著書を出しています。
ここでは2つ紹介します。
- ゲーテ=カーライル往復書簡
- 過去と現在
これらの著書について
以下で解説します。
ゲーテ=カーライル往復書簡
「ゲーテ=カーライル往復書簡」は
ゲーテさんとトーマス・カーライルの
往復書簡集です。
往復書簡が始まったとき、
ゲーテさんは74歳、カーライルは
30歳に満たないという年の差がありました。
この2人はついに生きて
相見ることはできませんでした。
しかし、ドイツの文豪であるゲーテさんは
イギリスの若き文学者カーネイルさんの
才能を認め、精神的純粋さの極致を示しています。
過去と現在
「過去と現在」は
トーマス・カーライルの社会批評本です。
12世紀の修道院長サムスンの書き記した
年代記を読んだことが契機となり、
「過去」との対照において「現代」の社会的危機を痛切に指摘しています。