エビングハウスの忘却曲線とは?

記憶について―実験心理学への貢献 (1978年)

ヘルマン・エビングハウス
(1850-1909)はドイツの心理学者で
フェヒナーの精神物理学に影響され、
記憶忘却を研究しました。

そして忘却曲線を発見しました。

この記事では
エビングハウスの忘却曲線とはどのようなものか解説します。

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目次

エビングハウスの忘却曲線とは?

エビングハウスの忘却曲線とは
どのようなものなのでしょうか。

「忘却曲線」については
辞書で次のように書かれています。

忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)

ある事柄を記憶した後、
時間をおいたらどの程度思い出せるか、
についての実験結果を図示したもの。

ヘルマン・エビングハウスは、
記憶と忘却時間の関係を理解するために、
次のような実験をしました。

意味のない3つの
アルファベットの羅列
被験者にたくさん覚えさせて、
その記憶がどのくらいのスピードで
忘れていくかを実験しました。

さらに、一定の時間間隔をあけて
再び覚えるときに、
はじめに覚えたときよりも
どのくらいの時間を
節約できたかを測定しました。

そして、その結果を
グラフ化したものが
エビングハウスの忘却曲線」です。

エビングハウスの忘却曲線によって分かること

エビングハウスの研究結果によって
まず次のことが分かりました。

・20分後には42%忘れる
・1時間後には56%忘れる
・9時間後には64%忘れる
・1日後には67%忘れる
・2日後には72%忘れる
・6日後には75%忘れる
・31日後には79%忘れる

そしてこの結果から、
さら次のことが分かります。

1 記憶は、覚えた直後に
半分近く忘れてしまう
2 残った記憶はゆっくり
忘れていき、長く保持される

20分後には42%と
半分近く忘れることに対し、
2日後と1か月後では
忘却にそこまでの差がありません。

また、エビングハウスの行った実験では、
意味のない3つのアルファベットの
羅列を覚えさせたこともポイントです。

例えば、
何も意味のない4桁の数字よりも
友達の誕生日を覚えるほうが
少し簡単ですよね。

覚えたことを忘れにくくするには

エビングハウスの実験の
もうひとつのポイントは、
再び覚えるときには、
はじめに覚えたときよりも
どのくらい時間を節約できるか…
ということです。

研究結果によれば、
いつでも再学習をすれば、
記憶はよみがえります。

そして、そのたびに
記憶の定着率は上昇していきます。

覚えたことを忘れにくくするには
次のことが大切です。

・一度目の学習よりも、
二度目の学習のほうが簡単になる。

・復習を重ねるごとに忘れにくくなる。

・一度にたくさん学ぶよりも、
時間をかけて何度かに分けて学ぶほうが
学習効率は上がる。

・学んだ直後から忘却は始まる。
最初は急速に忘れ、次第にゆっくりと忘れていくようになる。

さいごに

この記事では
エビングハウスの忘却曲線とはどのようなものかを解説しました。

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