「比喩表現ってなに?」
このように聞かれたときどのように説明しますか?
「たとえること」ではありますが、
たとえるにもさまざまな方法があります。
この記事では、
比喩表現とは何か?
比喩表現の意味や種類について
簡単にわかりやすく解説していきます。
比喩表現とは何か?【意味を簡単にわかりやすく解説】
比喩表現の意味として、
辞書には次のように記載されています。
■比喩表現(ひゆひょうげん)
ある物事を類似または関係する他の物事を借りて表現すること。
なぞらえ、見立て、喩えを用いる言語表現の総称。
なるべく簡単な言葉で
意味をわかりやすく解説していきます。
↓
比喩表現とは何か?簡単に説明すると、
あるものごとを別のものごとに置き換えて表現することをいいます。
特に、詩や小説文などに用いられる表現方法です。
比喩表現の目的には
書き手個人の想像を
読み手と共有するためであったり、
読み手へ必要な情報を正確に伝え理解を助ける役割があります。
比喩表現の種類
例えを表す比喩表現には
主に7つの種類に分けられています。
- 直喩(ちょくゆ)
- 隠喩(いんゆ)
- 換喩(かんゆ)
- 提喩(ていゆ)
- 転喩(てんゆ)
- 諷喩(ふうゆ)
- 奇想(きそう)
直喩(ちょくゆ)
直喩とは
「~のような」という言葉が伴って、
例えであることを明らかにした比喩表現です。
比喩を明示しているため、
別名で「明喩(めいゆ)」ともいいます。
映像的な表現を用いて
相手へ想像しやすいように伝えるため、
日常会話にもよく使われます。
【直喩の例】
- 比喩のない例文
➜今日は寒い日だ。 - 比喩のある例文
➜今日は体が凍るような寒い日だ。
隠喩(いんゆ)
隠喩とは
「~のような」という表現を使わず、
言い切る形で例える比喩表現です。
比喩を隠す表現方法であるため
別名で「暗喩(あんゆ)」ともいい、
直喩に比べると強い表現になります。
【直喩と隠喩の比較例】
- 直喩の例文
➜晴れた空が私を応援しているようだ。 - 隠喩の例文
➜晴れた空が私を応援している。
換喩(かんゆ)
換喩とは
物事の特徴を捉えて、
その特徴とすり換えて例える比喩表現です。
わかりやすくするためではなく、
わかっていることを言い換えて表現します。
【換喩の例】
- 王冠➜王様
- 永田町➜日本の国会
- ご飯・メシ➜食事
- 白バイ➜白いバイクに乗った警察官
提喩(ていゆ)
提喩とは、
全体を表す言葉が一部分を指し示すような比喩表現です。
大きい括りのある語を具体的なものへ連想させることができます。
【提喩の例文】
- 花見に行く
➜桜(=花見)を見に行く - 花より団子
➜風流な物(=花)を見るよりも、美味しいもの(=団子)を食べた方が幸せ - 空から白いものが舞ってきた
➜雪(=白いもの)が降ってきた
転喩(てんゆ)
転喩とは、
ある事柄を表現したい時に
直接的に言葉で表すのではなく、
先行または後続する出来事をいう比喩表現です。
言葉として出さないため、遠回しな言い方になります。
【転喩の例文】
- 祖父の手は冷たくなっていた。
➜手が冷たいという事柄(=後続する出来事)によって祖父が亡くなったこと(先行する出来事)を表す
諷喩(ふうゆ)
諷喩とは、
隠喩のように
比喩の形を隠した言い切りのたとえが
連鎖的に比喩表現されたもので、
本来の意味を間接的に推察させる働きがあります。
そのため、
具体的な物事と抽象的な物事とが
並んで表現される特徴をもちます。
【諷喩の例文】
- 朱に交われば赤くなる
➜人は交わる友や環境によって感化される
「朱」は朱色の墨汁のことで
感化したり影響を与えるものとして
抽象的にたとえられています。
「交われば赤くなる」は
朱色が入り混ざれば赤くなる
という具体的なことを意味しています。
さらに「交われば」の語には
人付き合いにたとえられていて、
環境によって人は善悪どちらにも感化されるという連鎖的な意味を持たせています。
奇想(きそう)
奇想とは他の比喩表現とは異なり、
関連性の無い2つ以上の物事の間に
共通性を見出て強引に結びつけた比喩表現です。
日常的に用いられる比喩ではなく、
詩や小説などで用いられる
大がかりな比喩の形になります。
まとめ
比喩とは何か?と聞かれれば、
「たとえ」のことだとわかっていても
7種類に分類されることはあまり知られていません。
表現方法ではたとえを明確に表したり、
たとえを隠す方法であったりと
さまざまな使い方が比喩表現にはあり
意外に日常的に使っている表現のひとつです。
しかし、
たとえがわかりにくい場合
相手へ伝わらないこともありますので
言葉の選択に注意して比喩表現を活用していきましょう。