おとり効果とは
行動心理学のひとつです。
実は、私たちはこの効果によって
不必要な買い物をしてしまっている
可能性があるのです。
この記事では
おとり効果とはどのようなものなのかを解説していきます。
おとり効果とは?
おとり効果とは、
他に比べて見劣りがして
明らかに選ばれない選択肢を紛れ込ませて
意思決定を変化させる効果のことです。
たとえば新聞購読で例を挙げます。
・ネットのみ…2,000円
・ネット+紙…5,000円
この2つの選択肢で調査したところ
6割以上が「ネットのみ」を選びました。
安い方を選ぶ傾向にありました。
次に、選択肢を1つ増やします。
・ネットのみ…2,000円
・紙のみ…5,000円
・ネット+紙…5,000円
3つの選択肢で調査した結果
「ネットのみ2,000円」が2割弱、
「ネット+紙5,000円」はなんと
8割以上の人が選ぶ結果となりました。
2,000円から5,000円の購読に変えた人
実に4割以上も増えたのです。
これは、「紙のみで5,000円」という
見劣りする選択肢を増やしたことにより、
「ネット+紙で5,000円」が
安売りしているような錯覚に陥ってしまうのです。
特に新聞の質や内容が
良くなったというわけではありません。
ただ選択肢を増やすだけで、
消費者の意思決定を変化させることができます。
これがおとり効果のすごいところで、
実は私たちもこの手法によって
購入していることがあるのです。
おとり効果による誘導
おとり効果には
ゴルディロックス効果(松竹梅理論)
と組み合わせて消費者を
誘導することもできます。
例えば、600円のランチと
800円のランチがあるとします。
この場合、多くの人は
お手頃価格の600円ランチを
選ぶ傾向にあります。
しかし、店側は
800円ランチを売りたいと考えます。
ここで、ひとつ選択肢を増やすのです。
600円、800円のランチとともに
1200円のランチを用意します。
そうすることにより、多くの人は
中間の値段であるBランチを選ぶのです。
人はちょうど良いものを選ぶ心理があり、
3つの選択肢の場合だと真ん中の物を
選んでしまうゴルディロックス効果があります。
Aランチだと安すぎるのでないか、
質が悪くて美味しくないのではないか…
など考える要素が出てくるのです。
逆に、Cランチは、
質が良く美味しいだろうと考えますが、
「贅沢だし、もし美味しくなかったら嫌だ」
という心理に陥ります。
その結果、失敗を感じるリスクの少ない
真ん中のBランチを選ぶ人が増えるのです。
この場合の「おとり」はCランチですね。
おとりのCランチを増やし、
ゴルディロックス効果も利用することで
目的のBランチを一番売れやすくできるのです。
まとめ
この記事では
おとり効果とはどのようなものなのかを解説しました。
他の心理学用語については
こちらの記事でまとめています。
興味のある方はぜひ。