枕詞(まくらことば)とは何か?【意味を簡単にわかりやすく解説】

「枕詞ってなに?」
このように聞かれたとき、
どんな枕詞を知っていますか?

また、意味を説明できますか?

 

この記事では、
枕詞(まくらことば)とは何か?
枕詞の意味や種類、働きなどについても
簡単にわかりやすく解説していきます。

 

目次

枕詞(まくらことば)とは何か?【意味を簡単にわかりやすく解説】

枕詞の意味として、
辞書には次のように記載されています。

■枕詞(まくらことば)

主として古代の和歌に用いられた修辞法の一種。
独自の文脈によって習慣的・固定的に特定の語句にかかり、これを修飾し、句調を整える役割を果たす語。

なるべく簡単な言葉で
意味をわかりやすく解説していきます。

枕詞とは何か?簡単に説明すると
前置きの言葉として
昔の歌文や和歌に用いられる修辞法の一つです。

修辞法とは適切な言葉を効果的に使うことで
語を整えたり、美しく巧みな表現を与える技法のことをいいます。

 

枕詞の種類

枕詞は通常「5音」が基本です。
まれに3音・4音・6音のものもあり、
種類は全部で1200語あるとされています。

そのなかで代表的な枕詞を10個紹介します。

  • あかねさす(茜さす)
  • あらたまの(新玉の)
  • いしばしる(石走る)
  • しろたへの(白妙の・白栲の)
  • からころも(唐衣)
  • くさまくら(草枕)
  • さざなみの(小波の)
  • ちはやぶる(千早振る)
  • ひさかたの(久方の)
  • ぬばたまの(射干玉の)

 

枕詞の特徴

枕詞の特徴は主に2つあります。

  • 枕詞自体は意味を持たない
  • 特定の言葉とセットになる

 

特徴【意味を持たない】

実は枕詞そのものには意味がありません。

そのため和歌などを現代の言葉に訳すとき、
枕詞ということを認識するだけで意味は訳しません。

特徴【特定の言葉とセットになる】

枕詞は特定の言葉の前に置かれるため
決まった言葉とセットで用いられます。

例えば、
「あかねさす」という枕詞であれば
「日、昼、紫、君」という言葉の前に置かれます。

枕詞の働き

枕詞は意味を持たないのに
どうして使われるのでしょうか?

その働きには2つ理由があります。

  • 歌のリズムを整える
  • 歌のイメージをしやすくさせる

 

働き【リズム】

枕詞は通常は5音からできています。

そのため、
この5音を入れることで歌のリズムが整える働きがあります。

働き【イメージ】

枕詞は特定の言葉とセットで使われるため、
イメージを湧きやすくする働きがあります。

例えば、
万葉集で額田王(ぬかたのおおきみ)が詠んだ
「あかねさす」を用いた和歌があります。

「あかねさす 紫野行き 標野行き
野守は見ずや 君が袖振る」

この和歌の意味は、
「紫草の生えている野で、
あなたはそんなに袖を振ってらして
野守に見られるかもしれませんよ。」
というような意味を持ちます。

このように
「あかねさす」を直接的に訳すことはなく、
茜色の光に満ちているなど
夜ではなく日が差す昼間を思い浮かばせるような働きがあります。

 

まとめ

枕詞とは、
その言葉自体に意味はないものの、
歌のリズムを整えたり
イメージしやすくするための表現方法として使われます。

現代の会話では使われる言葉ではないものの、
美しく残る古代の前置きの言葉として知るのも楽しいです。

身近なものでは
「百人一首」で枕詞がでてきますので
興味がある方は是非見てみて下さい。

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