2019年4月1日、新元号「令和」が発表されました。
この令和(れいわ)という言葉は万葉集からとられています。
※令和の意味や由来についても、記事の後半で詳しく紹介しています。
万葉集(まんようしゅう)とは
7世紀後半から8世紀後半、
奈良時代につくられた和歌集です。
どんな時代に成立したのか?
代表作はどんなものか?
この記事では
万葉集とは何か
わかりやすく簡単な言葉で解説していきます。
万葉集とは何か?
万葉集とは、奈良時代に編まれた
日本に現存する最古の和歌集です。
天皇、貴族から下級官人、さらには
名も残っていない防人(さきもり)など
さまざまな身分の人間が詠んだ歌を
全20巻の4536首を集めています。
※防人=北九州の防備に当たった兵士
万葉集の構成について
万葉集に残っている歌は、基本的に
五・七・五・七・七の短歌が9割を占めます。
短歌の他には五・七の句を繰り返して、
終わりに七音を添えて結ぶ長唄(ながうた)や
五・七・七・五・七・七の
旋頭歌(せどうか)が含まれています。
現在の和歌は趣味で行われていますが
奈良時代や平安時代にとっての和歌は
政治や宴会、恋愛などにおいても
欠かせない生活の一部といえるものでした。
万葉集が成立した時代について
万葉集の成立時期は
759年(天平宝3年)以後と考えられています。
万葉集の編者は不明ですが、
大伴家持(おおとものいえもち)が
万葉集の最終的な編集に
大きな役割を果たしたと考えられています。
万葉集と名付けられた由来は、
「万(よろず)の言の葉を集めたもの」とする説と
「万世(よろずよ)に長く伝えるため」の
歌集という考え方の説があります。
主な歌人は次の人々です。
- 額田王(ぬまたのおおきみ)
- 柿本人麻呂(かきのかきのもとのひとまろ)
- 山上憶良(やまのうえのおくら)
- 山部赤人(やまべのあかひろ)
- 大伴旅人(おおとものたびと)
- 大伴持家(おおとものもちいえ)
仁徳天皇の代から奈良時代までの歌が収められていて、7世紀から8世紀までの政治や社会を知るうえでの貴重な史料といえます。
万葉集の代表作を紹介
ここでは万葉集の有名な
代表作を一部紹介します。
- 柿本人麻呂の短歌
- 山部赤人の短歌
- 山上憶良の短歌
- 小野老の短歌
柿本人麻呂の短歌【万葉集の代表作】
東(ひんがし)の 野にかぎろいの立つ見えて かえりみすれば 月かたぶきぬ
柿本人麻呂は飛鳥時代の歌人で、三十六歌仙の一人として歌聖(かせい)と呼ばれています。
山部赤人の短歌【万葉集の代表作】
田子の浦に うち出でて見れば白妙の 富士の高嶺に雪は降りつつ
山部赤人は奈良時代の歌人で、三十六歌仙の一人です。
柿本人麻呂と共に歌聖と呼ばれています。
山上憶良の短歌【万葉集の代表作】
秋の野に 咲きたる花を指(および)折り かき数ふれば七種(ななくさ)の花
この山上憶良の短歌は
秋の七草の由来になったと言われています。
山上憶良といえば
「貧窮問答歌」がとても有名です。
小野老の短歌【万葉集の代表作】
おをによし 奈良の都は咲く花の にほふがごとく今さかりなり
奈良時代の貴族の小野老の歌で、当時
奈良の都が栄えていた様子を表しています。
新元号「令和(れいわ)」の意味とは?
新元号の「令和(れいわ)」は
万葉集の言葉からとられています。
令和の言葉に込められた意味
2019年4月1日12時ごろ
安倍首相が令和の意味を発表しました。
令和の言葉に込められた意味
↓
「人々が美しく心寄せ合う中で文化は花開く」
その他にも
「厳しい冬の後に、国民ひとりひとりが梅の花のような美しい花を咲かせることができるように。」
という意味も令和には含まれています。
安倍首相も
「希望に満ちた時代を、国民と一緒に切り開いていく」
といったような信念を語っていました。
令和の由来となった万葉集の梅の花32首
初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫す
↓意味
大伴旅人の邸宅に集まりて、宴会を開く。時に、初春の何事をするにもめでたい月が出ていて、空気はよく風は爽やかに、梅は鏡の前の美女が装う白粉のように咲き、蘭は身を飾った香のように薫っている。
「令月」や「和ぎ」の意味とは?
令和の由来となった言葉
「令月」や「和ぎ」とは、
いったいどういう意味なのでしょうか?
気になったので調べてみました。
- 令月(れいげつ)の意味
- 和ぎ(なぎ)の意味
令月(れいげつ)の意味
- 何事をするにもよい月
- めでたい月
和ぎ(なぎ)の意味
風がやんで、波がなくなり、海面が静まること。
最後に
この記事では万葉集とは何か、
成立した時代や代表作について
なるべくわかりやすく簡単な言葉で解説しました。
その他にも、新元号になった
「令和(れいわ)」の意味や由来についても
詳しく紹介していきました。
この記事が少しでも
あなたのお役に立てばうれしいです。