そんな聖徳太子が定めた
冠位十二階とは何か?
冠位十二階で当時使用された
12色の「色」についても紹介したので
興味のある方はぜひ確認してみてください。
冠位十二階とは何か?わかりやすく解説
日本初の冠位制度
冠位十二階(かんいじゅうにかい)とは
603年に聖徳太子が制定した
日本で最初の冠位制度です。
徳、仁、礼、信、義、智の6徳目を
それぞれ大小の2つに分けて12階とします。
これにそれぞれ色を当て、さらに
濃淡によって大小を識別したのです。
聖徳太子は身分の上下に関わらず
能力のある者を役人に登用する決まりを作ります。
また聖徳太子は、日本を中央集権国家にして
身分制度を確立することと、能力にあった
自由な人材を役人として登用できることを
最終目的としていたと考えられています。
この冠位十二階の施行範囲は
蘇我馬子のような大豪族には行わずに
令制による四位以下相当の者に対して行われたそうです。
なお、この冠位十二階は
647年に七色十三階の施行により廃止されました。
冠位十二階ができる前の政治
従来の日本は氏姓制度(しせいせいど)
という支配体制でした。
当時の日本の天皇は
朝廷の要職に関して人事権はなく、
天皇が決められるのは
「どの一族を重用するか」という点だけです。
天皇はそれぞれの一族に
「氏(うじ)」という名前を付けて、
さらに氏族ごとに身分の高さを表す
「姓(かばね)」という称号を与えていました。
天皇は氏族を任命する権利はあるものの、
任命された氏族が一族内で行う人事については
関与する子ができなかった制度です。
そのため、氏族の影響力が強く出て、
天皇の権力は不安定だったのです。
冠位十二階の12色の「色」について
冠位十二階で冠位を表していた色について紹介します。
■冠位十二階の色
- 大徳:紫
- 小徳:薄紫
- 大仁:青
- 小仁:薄青
- 大礼:赤
- 小礼:薄赤
- 大信:黄
- 小信:薄黄
- 大義:白
- 小義:薄白
- 大智:黒
- 小智:薄黒
冠位十二階では
紫が最高冠位とされていました。
冠名には儒教の教えが色濃く反映されていて
当時の高官たちが儒教を重要視していたことが分かります。
紫以外の色は、中国古代の
五行説という学説に基づいています。
五行説…「自然も人間・社会も、
木・火・土・金・水の五つの元素の一定の
循環法則に従って変化する」という説。
最高冠位である紫は、
道教の尊いものを大切に扱うという色とされていたのです。
最後に
この記事では
聖徳太子が定めた
「冠位十二階」とは何かについて
12色の「色」についても触れながら
なるべく簡単な言葉でわかりやすく解説しました。
少しでもあなたの
参考になれば嬉しいです。