「大切(たいせつ)」の語源や由来は何?

大切(たいせつ)の語源や由来をたどると
平安時代にまでさかのぼることになります。

※漢字表記の「大切」を音読みして
和製漢語「大切(たいせつ)」が誕生。

 

「大切」の意味は、時代ととも変化していて
平安時代では「大い切る」という意味でした。

「大い切る」は、切る(きる)ではなく
切る(せまる)という読み方になります。

切迫(せっぱく)するといった感じの意味で
緊急を要するときなどに使われる言葉でした。

 

平安時代の作品「今昔物語集」では
その意味で「大切」が使用されています。

某が大切に可申き事有りて参りたる也

今昔物語集

今昔物語集 本朝世俗篇 (上) 全現代語訳 (講談社学術文庫)

 

平安時代の末期には
「捨てておけない」などの
重要な様子を差す意味でも
「大切」は使用されています。

そして中世になってから
現在の意味と同じように
「かけがえのないもの」を
「大切」というようになりました。

※中世(ちゅうせい)とは、日本の場合だと平安時代末期から室町時代までの期間を差します

 

豆知識ですが
江戸時代(1603年)の日葡辞書では
「大切」のことを「愛」と訳しています。

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