ボツリヌス菌とは?
ボツリヌス菌とは
腸詰菌(ちょうづめきん)とも呼ばれる
細菌の一つです。
この菌は酸素が苦手ですが、
酸素が少ない状態だと、
増殖して毒を出します。
また、土や川など自然界に広く存在し
発酵した魚、はちみつなどを
介して人の体内に侵入することがあります。
酸素が苦手なボツリヌス菌は、
自分を守る為に殻を作り出した
「芽胞(がほう)」という形態で存在します。
そして酸素が少なくなった状態になると
芽胞は発芽して、増殖した結果、
強い毒を出すのです。
自然界に存在する毒素では
最も強毒で、なんとふぐの毒の
1000倍以上ともいわれています。
この芽胞は、熱に強く、
121℃で4分以上の加熱をしないと
死滅しないので、家庭での殺菌は
難しいといわれています。
なぜ赤ちゃんは蜂蜜を食べちゃダメ?
市販の蜂蜜には、注意事項に
「1歳未満の乳児には
与えないでください」と表記されています。
なぜ、特に赤ちゃんは
蜂蜜を食べてはいけないと
されているのでしょうか?
それは、
赤ちゃんは腸内環境が整っておらず、
ボツリヌス菌が腸内で増えて
毒素を出してしまうからなんです。
この症状を
乳児ボツリヌス症といいます。
大人の腸内では、
ボツリヌス菌が他の腸内細菌との
競争に負けてしまうため、
通常は何も起こりません。
この腸内環境の違いから、
赤ちゃんは蜂蜜を食べては
いけないとされています。
なぜ蜂蜜にボツリヌス菌の危険性あり?
なぜ蜂蜜には
ボツリヌス菌の危険性が
あるのでしょうか。
まずボツリヌス菌の特徴を
挙げていきます。
- 自然界の土壌中などに広く存在する
- 酸素が苦手
- 他の菌には弱い
蜂蜜は、
蜂が色々な場所から蜜を集めてきます。
自然界の色々な場所に存在する
ボツリヌス菌が、
蜜と一緒に運ばれてしまいます。
さらに、糖度の高い蜂蜜は、
他の雑菌は生きていけず、
ボツリヌス菌だけが芽胞として存在します。
他の雑菌がない状態で、
赤ちゃんの腸内に入ると
ボツリヌス菌は増殖して、
腸内で毒を発生してしまうのです。
そのため、蜂蜜は、
ボツリヌス菌にとっては
増殖しやすい最適な食品といえるのです。
ボツリヌス菌による症状
ボツリヌス菌は
非常に強い毒です。
まず、ボツリヌス食中毒には
以下のような症状が挙げられます。
- 吐き気・嘔吐
- 視力障害
- 言語障害
- えん下困難
重症例では呼吸麻痺により
死亡することもあります。
乳児ボツリヌス症は、
便秘状態が数日続き、
筋肉が弛緩するなどの麻痺症状があります。