ウイスキーを注ぐだけなのに、グラスが変わると一杯の表情まで変わります。
重厚なロックグラスに大きな氷を沈めれば、琥珀色の酒が夜の灯りを抱え込むように輝く。反対に、薄づくりのグラスなら、唇とウイスキーの間にある境界がふっと薄くなり、繊細な口当たりを楽しめます。
日本には、江戸硝子から薄づくり、クリスタルガラスまで、ものづくりの技術を生かしたウイスキーグラスがそろっています。
今回は、日本製のウイスキーグラスの中から、ロックで使いやすい国産品を中心に5つ紹介します。
日本製のウイスキーグラスの魅力
日本製のウイスキーグラスには、単に「国産」という言葉だけでは括れない幅があります。
職人が吹き上げる極薄のグラスもあれば、大胆なカットを施したクリスタルグラス、毎日の晩酌で気兼ねなく使えるシンプルなロックグラスもあります。
ウイスキーそのものに産地や熟成年数の個性があるように、グラスにもまた個性があります。
重厚感を楽しむなら厚みのあるロックグラス、口当たりを重視するなら薄づくり。贈り物なら江戸硝子やクリスタルガラスなど、飲み方や使う場面から選ぶと、自分に合う一脚を見つけやすくなります。
日本製のウイスキーグラスの選び方
ロックで飲むなら口径の広いグラス
大きな氷を入れてウイスキーを楽しむなら、口径に余裕のあるロックグラスが扱いやすくなります。
グラスの中で氷がゆっくり回り、カランと鳴る音まで含めて楽しめるのがロックグラスの魅力です。
容量は250〜300ml前後を基準にすると、ウイスキーのロックから焼酎、少量の水割りまで使いやすくなります。
口当たりを重視するなら薄づくり
グラスの縁が薄いほど、飲み物が自然に口へ流れ込みやすくなります。
特にストレートに近い感覚でロックを楽しみたい場合は、松徳硝子の「うすはり」のような薄づくりが魅力的です。
一方で、薄いグラスは厚手のものより扱いに気を使うため、日常使いでは強化加工されたグラスも候補になります。
プレゼントなら江戸硝子やクリスタルも
誕生日や父の日、退職祝いなどの贈り物なら、グラスそのものに物語がある商品も魅力です。
富士山をグラスの底に閉じ込めた江戸硝子や、日本的な意匠を施したクリスタルグラスなら、箱を開けた瞬間から特別感があります。
日本製のウイスキーグラスおすすめ5選
- 田島硝子 富士山ロックグラス TG15-015-R
- 松徳硝子 うすはり オールドM
- 東洋佐々木ガラス 薄葉 オンザロック B-21309CS
- KAGAMI ロックグラス 校倉 T394-312
- アデリア ストレートオールド 511
田島硝子 富士山ロックグラス TG15-015-R
日本らしさを一脚に凝縮したようなロックグラスです。
最大の特徴は、グラスの底にかたどられた富士山。ウイスキーを注ぐと琥珀色がガラス越しに重なり、富士山そのものが夕焼けに染まったような景色を見せてくれます。
東京都指定伝統工芸品である江戸硝子の技術を用いた商品で、ウイスキーやブランデーなど、飲み物や光によって富士山の表情が変わるのも魅力。口径約9.2cm、高さ約9.5cmのロックグラスです。
普段使いはもちろん、ウイスキー好きへの贈り物にも映える一脚。グラスそのものを眺める時間まで、晩酌の一部にしてくれます。
松徳硝子 うすはり オールドM
厚い底を持つロックグラスとは対極にある、羽衣のように軽やかなウイスキーグラスです。
松徳硝子の「うすはり」は、その名の通り非常に薄く仕上げられたガラスが特徴。オールドMは口径77mm、高さ90mm、容量約300mlで、メーカーもオンザロックを用途のひとつとして挙げています。
縁の存在を強く感じさせないため、ウイスキーの質感を素直に楽しみやすいのが魅力です。
大きな氷が触れたときの澄んだ音にも、薄いガラスならではの涼やかさがあります。重厚なグラスで「構えて飲む」というより、ウイスキーそのものへ静かに近づいていくような一脚です。
東洋佐々木ガラス 薄葉 オンザロック B-21309CS
薄づくりの口当たりと、日常での扱いやすさを両立したロックグラスです。
「薄葉」は、和紙を思わせる自然なゆらぎのある表情が特徴。B-21309CSは容量290mlのオンザロックタイプで、ソーダライムガラスを使用した日本製です。
さらに全面イオン強化加工が施され、食器洗浄機にも対応しています。
薄いグラスは魅力的だけれど、毎日の晩酌でも使いやすいものが欲しい。そんなときにバランスのいい選択肢です。
光を受けた表面のわずかな揺らぎも美しく、価格を抑えながら、ありふれたロックグラスとは少し違う景色を楽しめます。
KAGAMI ロックグラス 校倉 T394-312
ウイスキーを「飲む」だけでなく、グラスの重みや輝きまで味わいたいなら、KAGAMIのロックグラス「校倉」が候補です。
日本古来の建築様式である校倉造をモチーフにした大胆なカットが特徴。透明に磨いたカットと、すりガラス状に仕上げた部分が組み合わさり、ウイスキーを注ぐと琥珀色の光が立体的に揺らめきます。
口径86mm、高さ85mm、容量270mlのクリスタルガラス製。木箱入りで、日本製のロックグラスとして長く展開されている定番モデルです。
価格はほかの候補より上がりますが、厚み、重さ、カットの輝きまで含めてウイスキーを楽しめます。
夜の一杯を少しだけ儀式めいた時間に変えてくれる、王道の国産ロックグラスです。
アデリア ストレートオールド 511
毎日の晩酌用として、シンプルで使いやすい日本製ロックグラスを探しているなら、アデリアのストレートオールドも見逃せません。
容量は約245ml。余計な装飾を抑えた端正な形で、ウイスキーのロックはもちろん、水やお茶などにも自然になじみます。日本製で、6個セットとして販売されているモデルです。
一脚だけを大切に使う高級グラスとは方向性が異なり、こちらは家族で使ったり、来客用にそろえたりしやすいのが魅力。
ウイスキーを特別な日の酒だけにせず、いつもの食卓へ連れてきてくれるような気軽さがあります。
日本製ウイスキーグラスはどれがおすすめ?
迷ったときは、何を最も重視するかで選ぶとすっきりします。
以下のように考えると選びやすいです。
- 見た目の特別感なら、田島硝子の富士山ロックグラス。
- 薄い口当たりを追求するなら、松徳硝子のうすはり オールドM。
- 薄づくりと扱いやすさのバランスなら、東洋佐々木ガラスの薄葉。
- 重厚なクリスタルグラスを長く愛用するなら、KAGAMIの校倉。
- 価格を抑えて複数そろえるなら、アデリアのストレートオールド
日本製のロックグラスでウイスキーの時間を楽しむ
ウイスキーは、ボトルを開けた瞬間だけで完成する飲み物ではありません。
氷を入れ、酒を注ぎ、グラスを傾ける。その一連の動作の中で、香りや温度、口当たりが少しずつ形を変えていきます。
だからこそ、グラス選びもウイスキーを楽しむ大切な一部分です。
江戸硝子の富士山、職人が仕上げるうすはり、繊細な薄づくり、光を刻むクリスタル。
自分の好きな一杯に似合う日本製のウイスキーグラスを選べば、いつもの琥珀色が、昨日より少し美しく見えるかもしれません。