「トキソプラズマ」って
何か知っていますか?
耳にしたことはある程度の人が
多いかもしれません。
実は、世界的に見ると
全人類の1/3以上が
感染しているとされ、非常に広く
蔓延(まんえん)している感染症なんです。
さらに、
トキソプラズマに関連して
妊娠中にローストビーフを
食べてはいけないという話も聞きます。
関連記事:妊婦はローストビーフを食べると危険?【妊娠中の食事(肉類)の注意点】
この記事では
トキソプラズマとは何か?
その意味や危険性について
簡単にわかりやすく解説していきます。
トキソプラズマとは何か?
トキソプラズマとは、多くの動物や鳥が持っている寄生虫の一種です。
正式名称は「トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)」といい、幅3µm、長さ5~7µmの半円、または三日月形をしています。
トキソプラズマは幅3 µm、長さ5-7 µmの半円〜三日月形をした原虫である
動物(特に猫)の体内や排泄物、土の中などにいて、人間にも感染します。
トキソプラズマ症は、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)というアピコンプレクサに属する一属一種の寄生性原生生物(原虫)により起こされる感染症である。トキソプラズマはほぼ全ての温血脊椎動物(哺乳類・鳥類)に感染能を持つ。一度感染すると終生免疫が継続するが、感染率は国・地域・年齢によって異なる。食肉習慣やネコの抗体保有率、衛生状態などが複雑に関連すると考えられる。
トキソプラズマの感染経路
トキソプラズマの主な感染経路は
次のようなものがあります。
- ペット(主にネコ)
- ガーニング・土いじり
- 生肉
- 胎盤
食肉は、生ハムやサラミなどにも
トキソプラズマが潜む可能性があります。
また生肉だけでなく
ローストビーフなど、
熱が完全に通っていない食品は、
妊娠中に食べない方が良いです。
関連:【お肉好きの妊婦さん必見】妊娠中の食事(肉類🥩)の注意点まとめ!
トキソプラズマのヒトに対する感染は、加熱の不十分な食肉に含まれる組織シスト、あるいはネコ糞便に含まれるオーシストの経口的な摂取により生じる。眼瞼結膜からも感染するが、空気感染、経皮感染はしない。
引用:トキソプラズマ症とは「ヒトへの感染」(国立感染症研究所)
妊娠中はトキソプラズマに要注意!
日本人では、成人の感染率が高いようです。
健康な人には免疫が働くので、
感染しても全く問題ありません。
症状が出たとしても、
発熱やリンパ腺が腫れるなど、
風邪と似た軽い症状です。
しかし、胎児は違います。
妊娠中の人が初めて
トキソプラズマに感染すると、
胎盤を通じて、胎児に感染が及ぶことがあります。
妊娠中の女性がトキソプラズマに初感染した場合、トキソプラズマが胎盤を通過して胎児に垂直感染する可能性がある。胎児への感染率は妊娠末期になるほど上がるが、胎内感染が起こった場合の重症度は妊娠初期ほど高い。
引用:トキソプラズマ症とは「先天性トキソプラズマ症」(国立感染症研究所)
胎児が先天性トキソプラズマ症を
発症してしまうと、以下のような
重篤な症状が起こることがあります。
- 脳性麻痺
- 視力障害
- 流産や死産
- 運動・精神発達の遅れ
早期発見と治療によって
重症ケースを減らせる可能性もあります。
また、妊娠中の人だけでなく
HIV感染者などの免疫不全者にも
重篤な症状を引き起こす為、注意が必要です。
トキソプラズマの予防方法
トキソプラズマを予防するには、
感染ルートなどを考えて、
以下のことに注意しましょう。
- 肉料理は十分に加熱
- 野菜・果物の調理前に十分に洗浄
- 生肉・生野菜等に触れたあとの手の洗浄
- ネコの排泄物処理は手袋を使用
- 土いじりはマスク・手袋の使用
妊娠中の身体は、
免疫機能が低く、デリケートです。
生肉を食べたり、土に触れば
必ずトキソプラズマに感染する
というわけではありません。
しかし
少しでも不安要素は残さないように、
日々の生活でできることを
気を付けていきましょう。
トキソプラズマは全ての温血動物に感染可能であるため、魚介類を除き、哺乳類である鯨を含めた獣肉や鳥肉の生食や加熱不十分は常に感染のリスクを伴う。妊婦もしくはその可能性のある方は、肉の生食は控えるとともに、肉を調理する際には、中心部まで十分に加熱することやまな板を肉用とその他用に分けるなどの対応が必要である。
引用:トキソプラズマ症とは「ヒトへの感染」(国立感染症研究所)
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さいごに
この記事では
トキソプラズマとは何か?
その意味や危険性などについて
なるべくわかりやすく解説しました。
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